
織った後、クルミの染料に浸けられたキリム
クルミには虫除けの効果もあります。
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ペルシャで絨毯・キリムが発達した要因の一つに、草木染めの原料が豊富にあったということが挙げられます。イランというと、「乾燥した荒野」というイメージが浮かぶと思いますが、カスピ海に近い北部は日本と同じく雨の多い気候ですし、南部の温暖な地域でも農作物の栽培が盛んに行われており、おいしい果物はお隣トルコやアラブ諸国に輸出されています。結構意外でしょ。ザクロ・クルミ・麦・葡萄・アカネ・藍などの自生も多くまた栽培も盛んです。イランのザクロは日本でも有名ですね。
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| 【化学染料と草木染め】 |
19世紀になり、時代の流れとともに科学染料も使われるようになりはじめました。科学染料にも良質のものからそうでないものまでありますので、一概に化学染料だから良くないとは言い切れませんが、草木から採取した天然染料と化学染料を比較すれば、色の美しさ、色のもちなどやはり草木染めにはかないません。ほとんど化学染料が使われているトルコでも、近年草木染めを復興させようという動きが見られるようになりました。イランでも化学染料のものがつくられておりますが、草木染めもまだまだ健在で、廃れてしまったわけではありません。
化学染料と天然染料の違いを判断するのは、現在では結構難しいことだと思います。キリムを主要な産業としている国では、化学染料でも草木染め風に色むらをつくったり、織り上げたキリムを天日にさらして色あせさせたりするケースもあるようです。日本でも最近キリムを扱う店が多くなりましたので、いろいろなお店をめぐって多くのキリムを見て下さい。双方の違いが分かってくるはずです。 |
【草木染めについて】 |
化学染料のキリムは、色あせするとその美しさを失っていくに対し、草花や虫からとれる天然染料は、使い込むほど美しい色になると絨毯屋さんはみなそういいます。
とはいえ、草木染めのキリムも天日にさらされれば色あせします。だからといって大切にしまっておくということはしないで下さい。キリムは使ってこそ意味のあるものです。たまには敷く向きを逆にしたりすれば日のあたる方だけ色あせが目立つことが避けられます。
また、草木染めのキリムも色落ち・色移りしますので、濡れたときや洗濯の時など注意が必要です。
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【草木染めに使用される植物】 |
- 赤 ・・・・・アカネの根、ザクロの皮、コチニールなど
- 青 ・・・・・インディゴ(藍)など
- 黄 ・・・・・ピスタチオ、サフラン、レモンの木
- 緑 ・・・・・クルミ、オリーブの葉
- オレンジ・プラムの木の皮など
- 茶、黒・・・茶葉、ピスタチオ、クルミの木の皮、鉄など
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さまざまな植物を使って実に豊富な種類の色に染めるのですが、アカネは根の生育年数によって色の濃さが違います(年数を経るごとに濃くなる)し、インディゴは糸を染料に浸ける回数で濃淡を出したりします。 |
【草木染めに使用される媒介について】 |
キリムの色は実に多様です。特にペルシャキリムのポイントとなる色は赤色ですが、鮮やかな青色もよく使用されます。とても草木から採取したものだと信じられないほどのはっきりとした明るい色です。草木染めじゃないのでは?と思われるかもしれません。もちろん草木のみでは、充分な色には染まりません。このような色を作るのには、染を促進させる媒介を用います。木の灰汁(アク)、酢、石灰、ミョウバン、鉄、塩、根や果実の汁などいろいろ使われます。ナスのお漬物を漬ける際にミョウバンを加えると鮮やかな紫になりますが、その要領です。
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このような昔の人の知恵に本当に感心させられます。
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